はじめに
株式会社橋本組(静岡県焼津市)は、大正11年の創業以来、土木事業にはじまり、建築事業や設計監理など総合建設業として事業展開をしてきました。拠点は、本社がある静岡県内だけにとどまらず、北海道から九州まで全国各地にわたります。各地で活躍する社員同士や本社の社員をつなげる役割を担うのは10年前に導入したnanotyでした。
今回取材に応じてくださったのは、橋本 節子 支援部長(写真左側)とIT支援室 津島 一実様(写真右側)。
当時nanotyを導入するに至った経緯と、10年後の今の活用内容を伺いました。
目次
【導入目的】社内コミュニケーションをより良くするため
nanotyを導入したのは、2011年12月。当時、かねてからSNS に関心を持っていた橋本代表取締役は、「SNS を社内のコミュニケーションツールとして利用できないか」と考えていましたが、機能やセキュリティの面から、一般向けのSNS をそのまま社内で利用するのは難しいと感じていたそうです。
そんな時に出会ったのが社内SNS「nanoty」。コミュニケーション活性化という目的はそのままに、より業務に役立てることができる社内SNSを目指し、運用をスタートしました。
【成果1】各社員の状況を把握しやすくなった
コミュニティや日報にて、現場の写真を載せるなどして、現場の稼働状況が共有されています。トップページに有給休暇取得者を毎日アップし、日報には翌日の予定も書かれているため、普段会わないような社員がどこにいるかや現場での様子がよくわかります。社員とも連絡が取りやすくなりました。
また、当社の新入社員研修は、14カ月かけて、すべての部署に身を置き、一通り経験するプログラムになっています。
配属先ではOJTの動きとなるので、新入社員一人ひとり研修先が違い、一人ひとりのフォローと受け入れる配属先とのこまめな調整が必要になってきます。そうした際に、nanotyを見れば誰がどこに研修に行っていて、どういう状況なのかを把握することができるので、フォローしやすい体制が整っているなと感じています。
【成果2】選別のひと手間なしにコミュニティに一括管理
安全ルールや災害対策の冊子など、帳票類の最新版の原本をコミュニティからダウンロードできるようにしています。
印刷する必要もなく、ペーパーレスになっていますし、こうした情報をすべてnanotyに集めて、見たい人が検索して見るスタイルにしたことによって、「いるか、いらないか」の判断を総務がしなくてよくなりました。
【成功のポイント】段階を経て利用を活性化させていく
nanoty導入当初は、初めから社員が日報やコメントを書くのではなく、まずはnanotyにアクセスする習慣をつけることにしていました。会社からのお知らせを掲載したり、社内情報を集約したりして、社員にnanoty を毎日見るよう呼びかけ、少しずつSNS への理解を深めていきました。
こうした段階を経て、今では、普段会わない社員を近くに感じられたり、新入社員にとっては他社員の仕事内容がわかり、プロフィール写真でマスクをしていない顔も把握でき、社内に溶け込めるきっかけになったりと、nanotyなしには仕事ができない状態になっています。
◆nanoty導入から本稼動まで
- 社内SNSに掲載しているお知らせ(社内報)の閲覧を呼びかける
- 一部の部署で日報の記入を開始する
- 日報を書くよう、全社員に呼びかける
- 約1カ月のテスト期間を経て、全社員参加しての本稼動へ
【今後の展望】就業管理システム等との連携をしていきたい
今後は、就業管理と連携して、自動化を図っていきたいと考えています。これまで、CSVファイルをはきだして就業管理システムに入れる手間がありましたが、そこがボタンひとつで連携して給与情報につながればうれしいなと思います。