仕事では「報告・連絡・相談」が大切と習った人も多いでしょう。日報は「報告・連絡・相談」をおこないながら、日々自分を成長させるために使う最適のツールです。日報の使い方次第で成長や能力にも差が出るでしょう。日報の活用術について紹介します。
周りと差をつける日報の書き方のポイント
業務の能力が高く、要領が良い人は日報も上手に書きます。周囲に差をつける人はどのような書き方をしているのでしょうか。日報のまとめ方やポイントをまとめました。
ダラダラ書かず分かりやすく簡潔にまとめる
わかりやすい日報を書くために第一に意識していただきたいのが、読み手の存在です。ダラダラと書き連ねただけの日報は、読み手に取って要点がわかりにくくなってしまいます。日報を確認する上司は他にも確認書類があり、忙しいため要点だけを簡潔に書くように意識してください。
文章は1文で30~40文字が目安です。一つの文章では一つのことしか言わない、一文一意を意識してシンプルな文章を心がけましょう。主語と述語、修飾語をシンプルに配置した文章は文章を書きなれていない人でも書きやすく、読み手側にもわかりやすい文章になります。
項目を箇条書きにしてから簡潔に書くとレイアウトもスッキリするので、読む側もすぐに内容を把握しやすくなるでしょう。
5W1Hに沿った内容
日報は誰が読んでもわかりやすい客観的な内容を書くようにします。わかりやすく書くためのフレームワークが「5W1H」です。
5W1HとはWhen(いつ?)・Where(どこで?)・Who(誰が?)・What(何を?)・Why(なぜ?どうして?)・How(どうやって)をあらわしたもの。業務について報告すべき最低限の内容になっているので、日報を作るときにも活用できます。
例えば、9時に(いつ?)A社で(どこで?)私と開発チームのBさんと(誰が?)、新製品についての説明会を(何を?)販売促進のために(なぜ?どうして?)、プレゼンテーション資料を基に(どうやって)おこなったという形です。ビジネス文書を書く時の基本にもなるので、5W1Hを意識して具体的に書くようにしてください。
5W1H | 具体例 |
When(日時) | 9時 |
Where(場所) | A社 |
Who(人物) | 私と開発チームのBさん |
What(物事) | 新製品についての説明会 |
Why(理由) | 販売促進のため |
How(手段) | プレゼンテーション資料を使って |
ただの感想や報告ではなく所感を書く
日報でありがちなのが「良かったです」「大変でした」など単なる感想文や報告に終始したものです。残念ながら感想文と日報は全く違います。日報に書くのは感想や報告ではなく所感。所感は感想から踏み込んで自身の意見をプラスしたものを言います。
所感を書くときには反省点と、それに対する具体的な改善策を入れ込むようにしてください。もしも目標を達成した場合でも、それを成し遂げられた理由を考察して次回に活かすようにすると、良い所感になります。所感となる内容を考えることで、自身の行動の振り返りにもなるでしょう。
目標設定は会社の方針に沿った内容にする
日報には今日・明日の目標の欄もあることが多いでしょう。目標を自分で設定する際は、会社の方針に合っているか確認するようにしてください。
せっかく立てた目標も会社や部署の方針とズレていれば、上司から評価されない可能性が高いと考えられます。また目標は思いつかない場合も、まずは会社の目標を確認してサンプルとしてみましょう。会社の目標をベースに自分なりに目標に貢献できるような個人目標を立てるようにします。
可能であれば前日にうちに翌日の目標を設定して上司に確認してもらうようにすると良いでしょう。
業務時間の合間にメモしておく
日報はまとめて書かないこともコツです。実行したこと、気づきなど日報作成に活用できそうな内容は業務のスキマ時間にメモしておきましょう。手帳やふせん、スマホのメモ機能などに箇条書きしておくだけでも日報が書きやすくなります。業務終了後に内容をまとめて思い出そうと考えると時間と手間がかかります。
こまめにメモしておけば一度に思い出す手間が省けて時短になります。さらに業務中に得た些細なアイディアや発見も忘れずに整理して、日報に反映させることができるでしょう。業務の合間にメモしておくことで、余裕をもって日報を書くことが可能です。
成長した自分をイメージしながら書く
日報を記載すると目先の仕事ばかりに集中してしまいます。また仕事に慣れず、どうして上手くできないのかと、ネガティブな気持ちになってしまうこともあるでしょう。しかし、会社への貢献を考えれば、短期的な目線ではなく長期的な目線が必要です。
日報を書くときには成長した自分をイメージして、それを達成するために目標を立てましょう。目先の仕事ばかりでなく俯瞰的な目線をもって将来のビジョンを創造してください。ポジティブな気持ちで日報作成することで、目標も具体的になりモチベーションも上がるため、成長スピードも上昇するでしょう。
>部下に日報を書かない人がいる方必見!効果的な指導方法と対策
【例文付き】新人でもすぐ書ける日報フォーマット
日報の形式は企業ごとに違います。提出方法もノートのほか専用の用紙、メールなどいろいろな手段があるでしょう。日報を書きやすくするために重要なのが日報のフォーマットです。新人でもすぐにかける日報の記入例を見本付きで紹介します。フォーマットをあらかじめメールで自分に送っておくと、コピーしてから記入して提出することもできるでしょう。
1.今日の目標
日報を書くために、まず設定してほしいのがその日の目標です。同じ仕事であっても目標を達成する意識をもって取り組む場合と、なんとなく仕事をこなす場合とでは大きな違いが生まれます。
流れとしては前日にその日の改善点を考えて、翌日の目標は改善点を反映したものにすると良いでしょう。改善点と具体策を盛り込むことでPDCAサイクルが出来上がります。次の日にまた目標が達成できているかを考えて、反省点、改善点の策定を続けることで長期的な成長が期待できます。
初めに今日の目標を決めておくことで成果を上げやすくモチベーションアップにもつながる。
2.今日の業務内容
業務内容を記載するときには、5W1Hを意識しながら具体的に業務内容を報告するようにしてください。勉強会やミーティングに参加する場合もその内容や参加者を具体的に描くようにしてください。
業務内容は所感と一緒に書いてしまうと見た目にわかりにくくなります。短い文章で箇条書きにするようにしてください。慣れないうちは時系列で記入すると書き漏れも少なくなり、業務の流れがわかりやすくなります。
3.今日の成果・達成率
日報にはその日の成果や達成率もできるだけ具体的に記載するようにしてください。その日の目標に対してどうだったかを記入しましょう。数字や件数で目標が設定されている場合は、成果も具体的な数字で書きます。
また仕事によっては数字では把握しにくいものもあるでしょう。事務職やエンジニアの場合は、数値で仕事が表現しにくい場合があります。その場合であっても、関わった工程や業務内容など成果はできるだけ具体的にわかりやすく書くよう心掛けてください。
4.良かった点・頑張った点
上司や部署の人が自分の仕事を全て見ているわけではありません。日報には周囲にはわかりにくい良かった点や頑張った点も記載するようにしてください。自分で頑張ったと思う部分や組織に貢献したと思う部分については、積極的にアピールしてください。
ただし、「○○を頑張りました」だけでは単なる感想になってしまいます。第三者から見てもわかるように、客観的な所感になるように記載してください。今までとアプローチを変えて上手くいったことや、先輩にアドバイスをもらったことなどを記載すると所感らしくなります。
5.改善点・課題点・学んだこと
業務内容を振り返って、良かったことばかりではないはずです。どうしても目標達成できていない、スキルが至らなかった面は書きにくく感じてしまうでしょう。しかし、自分の課題は隠すことなくしっかり自己分析してください。
客観的に自己分析することで成長につなげられれば、課題を隠すよりも高い評価を引き出すことができます。また課題や悩みを明らかにすることで、上司や先輩からアドバイスしてもらうことができます。仕事の先輩にフィードバックしてもらうことで、よりスピーディーな成長が期待できるでしょう。
6.明日の目標
日報ではその日の業務を振り返って反省点や課題を考えます。また振り返りを踏まえ、仕事の成果を上げるため明日の目標を設定してください。これはPDCAサイクルを回すためにも重要ですが、モチベーション維持のためにも重要です。
翌日の目標を設定しておくことで、やる気をつなげる効果があります。目標を意識しながら業務に取り組むことで業務効率もアップするでしょう。日報の最後に翌日の目標を設定して仕事の締めくくりにしましょう。
【例文】
【本日の業務内容】 13時~15時 新人向け総務研修に参加 【所感】 ・総務研修 ・資料作成 【改善策】 |
これだけはやってはダメ!日報作成のNGポイント
日報の書き方や文例は学校でも習わないため、初めは失敗がつきものです。日報を作成するときに絶対に避けたい失敗をまとめました。あらかじめ注意して計画的に日報作成に取り組みましょう。
提出が遅いor数日分溜め込んでしまう
日報において、まず避けて欲しいのが日報の提出が遅れたり提出を忘れたりしてしまうケースです。ビジネスにおいてはスピーディーさが求められます。提出が遅れてしまえば怠けている、もしくは仕事が遅いと評価されて今うことがあります。
また日報の忘れてしまうことはあってはならないことです。日報の提出を忘れそうなときはアラートを仕掛けたり付せんを貼ったりして提出漏れをなくすようにしてください。日報をまとめて提出するように指示があったとしても、複数の日報をギリギリにまとめて書くのは避けましょう。基本的には日報はその日のうちに書き終えるようにしてください。
ビジネス文書のマナーができていない
日報も業務として上司や社内の人に提出する書類です。記入するときにはビジネス文書の基本やマナーについても押さえておきましょう。誤った敬語を使ったり漢字が間違っていたりすると、「デキない部下」とマイナス評価されてしまう場合もあります。
見直してすぐに見つかるようなケアレスミスがあれば、確認した側も軽く扱われていると感じてしまうかもしれません。必ず提出前には、誤字脱字や敬語の間違いがないかチェックしてください。敬語に不安がある場合は、事前に敬語やビジネス文書について書かれた本を買って、ビジネス文書の書き方を勉強しておいても良いでしょう。
上司への感謝がない
特に新人の間は、周囲と連携して仕事に向かうコミュニケーション能力が求められます。日報もコミュニケーションの一つ。例えば上司からのフィードバックを無視したり、アドバイスしてくれたことへ感謝していなかったりする人は、コミュニケーションが取りにくくて仕事で成果を期待できないと判断されることがあります。
先輩から仕事を教わった時にそれを当たり前と感じるか、時間と手間をかけて教えてくれたと感じるのでは、指導後の成長にも違いが生まれるでしょう。日報でも必ず周囲の社員や上司への感謝をあらわすようにしてください。日報で感謝を伝えることで人間関係の構築にも貢献します。
日報がめんどくさくなった時の対処法
日報は記入するために手間と時間がかかり、毎日続くものです。書き続けるうちにだんだんネタに困ってめんどくさくなってしまう人も珍しくありません。一日働いた後に書くため、疲労感が強くて負担がより大きく感じるかもしれません。
日報が手書きでオフィスで記入と提出が必要だと、日報のために外回りから戻ったり、確認印をもらうために上司の帰りを待たなければならなかったりと労力が大きくなってしまいます。
どうしても日報がめんどうに感じる時や書くことないときは、どうして日報が必要なのかを意識してみましょう。日報は自分の行動を振り返って、改善に役立てるツールです。PDCAサイクルを回しながら、業務改善や自己成長のために日報を作成していることを意識してみてください。昔の日報をさかのぼってみることで、これまでの自分の成長を実感できるようになります。
>日報が「めんどくさい」のはなぜ?日報嫌いを解消する6つの方法
また日報にかかる手間や時間が負担になっている場合は、短時間で記載できるテンプレートを用意したり、日報の運用方法を上司と相談してみましょう。メール提出の場合はテンプレートメールを用意しておくだけでも書きやすくなります。日報をめんどくさいと感じる人へのアドバイスは下記の記事で紹介しています。
まとめ
日報は成長や業務の効率性向上のために欠かせないツールです。しかし、記入する事務コストや手間などがネックでめんどくさいと思われてしまうことは多いでしょう。日報の目標を設定する役割やコミュニケーションツールの役割をそのままに、事務負担を減らすなら日報は作成ツールの導入も検討してください。
日報作成ツールnanotyは、クラウド上で日報を提出できるためノートの受け渡しや確認印などの手間がかかりません。また社内でのリアクションやコメント機能、社内掲示板機能もあるため、コミュニケーションツールとしても役に立ちます。
パソコンだけでなく、スマホからも投稿できるため出先からの報告にも便利です。日報作成ツールnanotyを使えば社内の情報を一か所にまとめて管理できるため、書類を管理する手間も省けるでしょう。社内の日報や書類管理、業務管理にお悩みの人はnanotyをお試しください。